吹奏楽でベタな映画音楽 2
近年、ベタな映画音楽を演奏会のプログラムに取り入れる吹奏楽団体さんは少なくなってきたように感じます(私だけでしょうか?)。それこそ、スターウォーズをやる団体なんて最近見かけないですよね。これは吹奏楽団体さんが、時代の発展により様々な情報を入手できるようになり「吹奏楽団体のマニア化」が進行し、吹奏楽関係者にとって魅力的な音楽を演奏するようになったことが背景にあります。しかし、演奏会の観客が皆が吹奏楽関係者とは限らず、そこそこ音楽が好きという層も多く、その層は映画音楽など一般的にメジャーな曲を望んでいるのもということも決して無視できません。そこで、今回はあえて吹奏楽アレンジされた、ベタな映画音楽をピックアップしていきます。今回は第二段です。(前回記事)
「Titanic (タイタニック)」
Titanic Medley (タイタニックメドレー)
1997年に公開された、レオナルド・ディカプリオ主演のタイタニックは、当時の興行収入1位を獲得した大ヒット映画でした。上映時間が3時間以上と長く、一日あたりの上映回数はが少なくなるために不利と言われる中での樹立でもありました。今まで紹介した曲の中からすると、新しい映画の部類に入ります。それでも20年以上前の映画なんですね。若い世代の方は、見たことすらない映画になってしまうのかもしれません(笑)
そんな大ヒット作品を、ニューサウンズインブラス(NSB)がメドレーにしないわけがありません。星出尚志氏の編曲で、メモリー”海”~海の讃歌~サウサンプトン~トラブル発生~沈没と来て、最後はマイ・ハート・ウィル・ゴー・オン(タイタニック・愛のテーマ)で締めくくられます。終盤以外にも、いたるところにマイハートウィルゴーオンの旋律が出てくるのも特徴です。また、エレキベースが平然と吹奏楽編成に入ってくるのも、時代を感じさせます。吹奏楽の魅力を広げるものだと思うのですが、コンクールでの使用が禁止されたこともあり、最近はあまりエレキベースが入っている曲は出てこないですね。NSB版以外にも、Winds Scoreから出版されている、Calvin Custer (カルビン・カスター)版もありますので、演奏しやすい方を演奏すると良いでしょう。筆者の感覚ですが、Winds Scoreの方はより吹奏楽の響きっぽく、NSBの方はサウンドトラックから引っ張ってきたような、オーケストラの響きに近いように感じます。
「Back to the Futereシリーズ」
バック・トゥ・ザ・フューチャー
これも名作ですね。1985年に公開されたバックトゥーザフューチャーも3まで公開されるほどの、人気作品になりました。シリーズ3作が公開される名作だけあって、数多くの編曲もたくさん出ているのですが、この動画のように、サスペンドシンバルから入り、金管楽器主体による重厚感のあるファンファーレで始まる原曲キーでの編曲がかっこよいです。しかしパッと探した限りはこの原曲キーのものが誰の編曲かも不明で、入手不可能でした。確か私も遠い昔にやった際は、かなり古い譜面で、輸入譜面だったので、もしかすると絶版になっているのかもしれませんね。残念。。。
一番世に出回っていると思われる、ミュージックエイト社から出版、山里佐和子氏アレンジが一番スタンダードで吹きやすい編曲になっています。最初の音が明るいと、明るい編曲になってしまうので、こういった、重厚感のある調性でやるとクールに聞こえます(筆者の意見です) また、パワーオブラブなんてのをアンコールなどに取り入れて、洒落たことをしても面白いかもしれません。(ただしマーチング用譜面)
映画「007」シリーズ
Bond…James Bond
映画「007」シリーズのメドレー形式になっています。Bond… James Bond (ボンド… ジェームズ ボンド)です。アレンジャーは、Stephen Bulla(ステファン ブラ)氏です。ハル・レオナード社で有名な映画のアレンジを多く手がけています。ゴールドフィンガー~ジェームズボンドのテーマ~ 007 死ぬのは奴らだ~ 私を愛したスパイ~私を愛したスパイ~スカイフォールと徐々に最新作へと流れています。賛否両論ありそうですが、ポールマッカートニーが歌った「007死ぬのは奴らだ(Live and Let Die)」などの主題歌が入っているのが良いですね。というのも、テーマ曲だけではなく、主題歌というのも映画のイメージを決める大きな要素ですからね。
この編曲は、適度に迫力もあり、どのパートも楽しめる良アレンジではないでしょうか。難易度もそこまで高くないように思えます。小中編成で、いくつか足りない楽器があっても、補うことが出来そうです。その分、バンド全体の音のハーモニーのようなものはちょっと足りない気もしますが、そういったバンドは、以下のアレンジではいかがでしょうか?
James Bond 007 – Various
上のアレンジでは物足りない団体には、Johan de Meij (ヨハン・デ・メイ)の編曲なんてのもあります。ところどころホルンへの要求レベルが高いですが、その分サウンドトラックから引っ張ってきたような、オーケストラのようなサウンドがします。ベースがいい仕事をしていて、これがとってもかっこいい。中間部に、ユーフォソロを持ってくるところも興味深いです。こちらは、あまりメジャーなアレンジではありませんが、コンサートのサブプログラムだとしても、骨のある曲を欲している団体にはうってつけだと思います。もちろん、現時点で日本で入手可能です。
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