David Childs(デイビッドチャイルズ)2018来日!
2018/06/15 追記しました
まえがき
今回はユーフォニアム界のスーパースターを紹介します。私が、ユーフォニアムを始めて間もない頃は、Youtubeが出来てからわずか数年で、ユーフォニアムの動画は今よりずっと少なかったです。その数少ない中、ミード氏と並ぶほどアップロードされている彼の音色を良く聞いていたものです。当時は、ユーフォニアムの貴公子とまでも呼ばれていました。注目すべきポイントが多い奏者の為、どこから手を付けてよいのか分かりませんが、書き足しながら、記事を書いていきます。(2018/04/05)
David Childs – Benedictus
素晴らしい音色ですね。心を奪われるような名演です。演奏しているのは、Karl Jenkins(カールジェンキンス)のThe Armed Man(武装した男)より「ベネディクタス」です。ユーフォニアムの音色も素晴らしく、表現力が非常に豊かですね。演奏するのは、David Childs(ディビッドチャイルズ)氏です。今回は彼について注目していきます。彼の魅力は、ユーフォニアムの真髄と言って良いほどの包み込むような音色と、王道を行くクラシカルな表現力です。それを可能にする背景としては、彼の優れた技術力に注目すべきです。次の動画をご覧ください。
The Hot Canary
こちらは、カナリアの鳥が鳴く様子を表現した、The Hot Canaryです。ダブルハイB付近で繰り出す密度の濃いサウンドでのトリルは常人とは思えません。コーリーバンドのフロントローの人でもついにやけてしまうくらいの技術力の高さです。ここまでの自由度は世界を代表するトッププレイヤーでも、チャイルズ以外は困難と言って良いでしょう。ユーフォニアム奏者ではない方でも、「ファ!?」ってなるのではないでしょうか?
“A Troika? Tidy!” from Euphonium Concerto
クリアなタンギング、度肝を抜かれる跳躍、サウンドの密度の濃さ、高難易度でもブレない表現力と、どこをとっても素晴らしいです。ベースになる技術の堅実な積み重ねによってなし得た演奏です。注目していただきたいのは、これだけの技術を要する演奏にも関わらず、ミスがほぼ見られないということです。ディビッド氏の様々な演奏を見てきましたが、彼のミストーンは、ほぼ聞いたことがありません。また、楽器が最も良くなるポイント(所謂楽器のツボ)も、他の世界的な奏者に比べ捕らえられているように聞こえます(特に2010年前後頃から、この傾向は顕著に現れています。マウスピースが変わったからでしょうか?)。この音色・表現・技術力全てをバランスよく高い次元で兼ね備えているために、ユーフォニアム奏者の中でも、特にファンが多くなっています。また彼が育った環境というのも、また注目すべきものがありますが、今後追記するかもしれません。
そんなデイビッド・チャイルズ氏ですが、2018年6月に来日予定です!
現在決定しているコンサートは以下の通りです。
2018年 06/09(土)
東京ブラスソサエティ 第42回定期演奏会
ティアラこうとう 大ホール 14:00 開演 (東京)
2018年 06/16 (土)
洗足学園音楽大学ブリティッシュブラス第47回 定期演奏会
洗足学園音楽大学 前田ホール 18:30 開演(神奈川)
これを機に、ユーフォニアムのスーパースター、ディビッド・チャイルズ氏の音を聴きに行ってみてはいかがでしょうか?
以上、最後までお読み頂きありがとうございます。
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2018/06/15 追記
筆者も、06/09(土)の東京ブラスソサエティの演奏会に行ってまいりました。ティアラこうとうのホールが満席と大盛況でした。(筆者は開演時間ぎりぎりにホールに入りましたが、パンフレットは全て捌けてしまって貰えないという状態でした) ディビットのソロは、3+1曲。カナーウのラプソディ フォーユーフォニアム、スパークのパントマイム、「春の日の花と輝く」による変奏曲の3曲と、アンコールにThe Hot Canaryを披露してくれました。トロけるようなリッチなサウンドと、世界一のテクニックに魅了された演奏会でした。前述している通り、ミスは見られず、細かいパッセージの音一つ一つが均一で、ユーフォニアムの教科書のような演奏で大変素晴らしかったです。また、東京ブラスソサエティ(TBS)の演奏も英国式ブラスバンドにしてはかなり変則的な人数でしたが、非常に高レベルな演奏でした。筆者の持論ではありますが、英国式がマイノリティの日本において大切なことは、慣れない楽器の音に対しての理解度(特にバリトンホーンやテナーホーン)だと考えていますが、TBSはその理解度が大変高いレベルにあり、技術も相まって関東圏のバンドでは頭一つ抜けているように感じました。
6/16にも、洗足学園前田ホールでコンサートが開催されるようですので、皆さん行ってみてはいかがでしょうか。
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